doモフ LPアトリエ への改善ビジョン · 1 案件の実測から · 2026-09-19

採用原画をゴールにする

ヒアリングで希望を吸い上げ、3 案の画像で合意し、選んだ画像をそのまま編集可能な LP にする。この製品の約束はそこにあると受け取っています。1 案件を通して見えたのは、部品は揃っているのに、採用した画像を「ゴール」として扱う仕組みが後半に無いことでした。この資料は、既にある部品をゴールに向けて噛み合わせるための提案です。

01約束の 3 拍と、ユーザーが感じる期待

拍 1
希望を吸い上げる
ヒアリング 7 ステップ。形式・色・雰囲気・避けたい表現・CTA・未確認事項まで、判断基準が brief / BUILD_SPEC / designPolicy に落ちる。
拍 2
画像で合意する
構成もデザインも違う 3 案を実画像で見せ、本人が A / B / C を選ぶ。採用は script が記録し、原画は sha256 で固定される。
拍 3
その通りに作る
原画を実測し、素材を分け、文字と CTA を HTML にし、PC とスマホで検収して静的納品する。
期待
拍 2 で「これでいく」と決めた画像が、そのまま (できればそれ以上に) 出てくる。ユーザーにとって採用画像は最終到達点のイメージそのもの。
スキル上の扱い
04 は原画を「採用後の見た目の正本」と呼ぶ。ただし、正本に対して何を測り、どこまで近ければ合格かは決まっていない。拍 3 の途中に、ゴールを参照する装置が 1 つも無い。

02いまの構造をこう理解しています

採用の前と後で、守り方がはっきり変わります。採用まではファイルに記録し、script が遷移を検査し、記入後に画像が変わっていないかまで見る。採用の後は、手順は細かく書かれているのに、成果物の形も合格線も遷移条件も無い。下の表は各ステップを「ゴール (原画) を参照するか」「成果物」「次へ進む条件」の 3 つで見たものです。

script が検査 散文の指示だけ 定義なし 本人が決める 提案で足す
ステップゴール (原画) を参照するか成果物次へ進む条件
3 案を作るproposals まだ原画は無い。brief と形式が基準 形式固定を検査 copy.md / proposal-directions.md / 3 画像 / format-review.json 各案が目視 pass + sha256 一致
本人が選ぶadopt ここで原画が決まる 本人 proposal-selection.json / selected-reference/ 案を一意に指す返答 + check
原画を測るdesign-map 原画を見る。ただし何を記録するかは列挙のみ 散文章の帯・座標・換算係数・目標高さを型で記録 設計図 design-map.md (自由形式)design-map.json (script が形を検査) なし 誰も読まない台帳 measured
素材を分けるasset-manifest 原画を入力にした文字除去が手順にある 散文入力が原画そのものか、出力寸法が同じかを検査 同一性 asset-manifest.json (operation は自由文)operation を 4 種に固定、解像度の下限 なし台帳 separated
HTML/CSS を組むdelivery 「原画が優先」と書くが数値は余白表だけ 散文design-map の座標と節 ID を設計図として参照 設計図 delivery/ (構造は終端で script)変更なし なし 比較との順序も自由台帳 built
原画と並べて比べるfidelity 「同じ幅で比較する」のみ。合格線が無い 散文節ごとの高さ比と全体比を数値で。並置画像を証拠に 尺度 名前のある成果物なしfidelity.json + 並置画像 なし台帳 compared 判定は別席
検収するreview R1〜R12 は汎用。案件の基準や原画の節と結びつかない 散文 記入の完全性は format-review全節に行、案件基準 ID を参照、差分票の形 基準 ID review.md (自由形式) / format-review.jsonreview.json 重大欠陥 0 (自己判定)台帳 reviewed 判定は別席
納品するaudit_delivery 構造のみ (節数・CTA・相対参照) qa/static.json / delivery.zip passed でのみ ZIP

見えたこと。 採用で決まった原画は、その直後に sha256 で固定されたきり、納品まで一度も script に読まれない。原画と実装を比べる工程は「やれ」と書かれているが、成果物の名前も合格線も無い。だから作り手 (モデル) は「見た、概ね合っている」以外の結論を出しようがない。

03噛み合っていない 5 か所

部品はどれも良くできています。噛み合っていないのは「何と何が」の話なので、対にして書きます。

A
採用原画 × 再構築の寸法指示
いま
原画は「正本」と呼ばれる。しかし再構築パックにある数値は余白の px 表 (詰まった配置の約 2 倍) だけで、原画に対する高さ比や位置の許容差は無い。
なぜ
数値のある指示と数値の無い指示が並ぶと、作り手は数値のある方に引かれる。初回案件では余白表が適用され、原画比は自己申告で済み、結果は原画の 3.3 倍の高さになった。
こうなると
原画から先に「設計図」(章の帯・座標・換算係数・目標高さ) を作り、余白表はその設計図に従属する数値として扱う。原画再現では設計図の座標が正本、余白表は新規提案の既定値、と役割を分ける。
B
ヒアリングの判断基準 × 検収の行
いま
同じ基準文 (形式・5 色と役割・余白・明朝 500・3 案 3 軸・避けたい表現) が依頼文・START_HERE・BUILD_SPEC に同一文面で貼られ、designPolicy にも構造化されている。script が designPolicy から読むのは format だけ。
なぜ
基準に ID が無いので、検収の行が「どの基準に対して合格か」を指せない。避けたい表現 9 種は散文のまま、誰も照合しない。
こうなると
ヒアリング出力に、ID 付きの案件基準表 (criteria) を 1 つ加える。中身は designPolicy の変換に近い。検収の行はこの ID を参照し、必須 ID が全部評価済みかを script が見る。散文 4 か所は 1 か所へ減る。
C
中間成果物 × 次の工程の入口
いま
design-map・asset-manifest・比較結果・review.md は作られる。だが形が自由で、次の工程がそれを読む決まりが無く、「作られていること」を誰も確かめない。
なぜ
提案工程には round / history / status の状態機械がある。採用後には無い。「実測済み」「比較合格」という状態が存在しないので、次の呼び出しや次のセッションは散文の CURRENT.md を信じるしかない。
こうなると
selection_state.py と同じ思想で、採用後の台帳 (measured → separated → built → compared → reviewed) を足す。各遷移は入口の成果物の形と鮮度を検査する。format-review.json の「空票を出す → 埋める → 鮮度を見る」の型をそのまま使える。
D
作る席 × 裁く席
いま
SKILL.md は「通常は一つの担当で進め、同じ資料を持った複数エージェントや反復評価を起動しない」と定める。節約方針としては筋が通っている。
なぜ
その 1 文が、作り手と検収者を同一にする。初回案件の review.md は 14 行すべて「適合」、hero 4 フラグ全 true、静的検査 passed、その状態で高さ 3.3 倍だった。自己申告の検収表は、合格線が無い工程では合格を量産する。
こうなると
「比較」と「検収」の判定だけ別席にする。渡すのは並置画像 1 枚と判定表 1 枚で済むので軽い。作り手は直す側に専念できる。
E
21,000 字の工程パック × 作ることへの集中
いま
再構築パックは 8 資料で約 21,000 字。禁止の文が 1,000 字あたり 4〜5 回。1 回の呼び出しで測る・分ける・組む・比べる・検収するを全部やる形になりやすい。
なぜ
指示を読み込むことに文脈が使われ、出力を作ることに集中が割けない。長い 1 ターンは「依頼された完成形」へ最短で向かい、途中の工程は省かれる。上位モデルほど省き方が上手い。
こうなると
工程を 4 つに分け、1 呼び出し 1 工程にする。各工程のパックは 5,000〜8,000 字に収まる。読む量が減るので、既存の節約方針とも矛盾しない。

04提案する流れ: 差分票を工程ごとに回す

新しい思想を足すのではなく、1 枚の型を工程ごとに回します。「何を参照して、何を測り、どこがずれ、どう直し、直した結果どうなったか」が、工程が進むたびに見えていく形です。型は同じで、参照先と測るものだけが工程ごとに変わります。

あるべき
何を参照するか
原画 / 設計図 / 案件基準
観測
何を測ったか
高さ・座標・色・フラグ + 証拠のパス
ずれ
どこが、どれだけ
節 ID + 数値 or 申告
直し方
何をどう変えるか
対象と影響範囲
結果
直した後の再観測
round + 前回との差

許容差内なら次の工程へ。残るなら round を進めて観測へ戻る。2 round 同じずれが残ったら人へ返す。

工程ごとに、参照先と測るものはこう変わる

工程あるべき (参照先)観測するものずれの単位次へ進む条件
測る採用原画章の帯・各要素の座標・素材の出所。推定か実測かを分ける節 ID全節が隙間なく並び、換算係数と目標高さがある
分ける原画 + 設計図各素材の出所 (原画の sha256)・操作の種類・解像度素材 ID操作が 4 種のいずれか、文字除去の入力が原画そのもの、解像度が表示幅の 1.5 倍以上
組む設計図 + 原稿 + 素材section の id と順序、CTA、相対参照 (現行の静的検査)節 ID静的検査 passed、節 ID が設計図と一致
比べる採用原画同幅の並置画像、節ごとの高さ比、全体の高さ比節 ID + 比率全節が許容差内 (既定 ±20%、案件で理由付き上書き可)。判定は別席
検収する案件基準 (ID 付き) + 原画PC と 360/390/430 の実表示、hero、境界、R1〜R12節 ID × 基準 ID全節に行、必須の基準 ID が評価済み、重大欠陥 0。判定は別席

この形の利点。 ユーザーから見ると「採用した画像に対して、どの章がどれだけ近づいたか」が round ごとに読める。作り手から見ると「何を見て何を直せば次に進めるか」が毎回同じ形で分かる。作者から見ると、飛ばされた工程は台帳の穴として残るので、再現性の評価 (quality-gate の「継続評価」) に使える。

05どこまで固めて、どこから任せるか

上位モデルで回す前提では、手順の中身を script で縛ると裁量を奪って品質が落ちます。固めるのは各工程の「終わり」だけ。中身は今の references のまま、モデルの判断に残します。

固める (script)
  • 成果物の形 (design-map / asset-manifest / fidelity / review の項目)
  • 合格線 (高さ比の許容差、解像度の下限、必須の基準 ID)
  • 停止条件 (合格で次へ、2 round 非進捗で人へ)
  • 鮮度 (記入後に画像や納品物が変わっていないこと)
任せる (モデル)
  • どこを主役と見るか、境界をどこに引くか
  • どの領域を切り、文字除去をどう指示するか
  • レイアウト・CSS・レスポンシブの全判断
  • ずれの原因の診断と直し方
  • 目視でしか分からない項目の申告 (証拠のパス付き)
人が決める
  • 3 案からの採用 (今と同じ)
  • 許容差の上書き (原画の章が極端に短い等、理由を残す)
  • 2 round 残ったずれの裁定
  • 最終の受け入れと公開

06初回案件のずれは、この流れならどこで止まったか

実装の全体高さ (1440px)
10,597 px
目標 3,230 px。「比べる」で全節が許容差外として止まる
design-map の換算係数
記載なし
24 行の帯表のみ。「測る」の形の検査で止まる
文字除去の実行
0 回
operation は「copied」「fixed crop」の自由文。「分ける」の操作種別で止まる
通過した既存の検査
4 / 4
採用 check・format-review・静的検査・ZIP。すべて正しく動いていた

既存の検査は 1 つも誤動作していません。検査していない区間で起きたことが、検査している区間を素通りしただけです。足す 3 つの入口 (測る・分ける・比べる) のどれか 1 つでも、この案件は止まっていました。

07進め方の提案

既存パターンの延長

design-map と asset-manifest にテンプレートと検査を付け、比較結果に名前と許容差を与え、採用後の台帳を足す。すべて format_check と selection_state の型の再利用で、references の本文は変えなくてよい。

案件基準の構造化

ヒアリング出力に ID 付きの基準表を加え、散文 4 か所を 1 か所へ寄せる。検収の行がその ID を指す。ここだけヒアリングツール側の変更が要る。

判定の別席化

比較と検収の判定を、並置画像と判定表だけを渡す軽い呼び出しに分ける。「一つの担当」の方針に例外を 2 つ設ける形。まず 1 案件で、飛ばしの検出と誤検出の両方を記録する。

順番は 1 → 2 → 3。1 だけでも、初回案件のずれは 3 か所で止まります。2 と 3 は「ユーザーが想定した以上のもの」に近づけるための段で、ゴールに対する距離が round ごとに読めるようになると、直す方向の議論が「好みの微調整」に寄っていきます。それがこの製品が目指している状態だと理解しています。

根拠にした実体: スキル本体 (SKILL.md、references 01〜17、scripts 5 本、release.json)、初回案件フォルダー (制作セット、提案回、選択記録、design-map、asset-manifest、review、format-review、静的検査、同幅比較の実測)、実行ログの集計。製品に無い判断は「提案」と表記しました。ヒアリングツール本体の内部は未確認です。